ボクシングを観戦していると、とかくオフェンス面に目が行きがちです。鋭く的確なパンチや、派手なKO劇には、強烈なオフェンスが欠かせません。しかし、相手を倒す攻撃ばかりではなく、パンチをもらわない技術もボクサーには不可欠な要素です。
ディフェンスに注目してボクシングを見ていると、その研ぎ澄まされた感覚にワクワクしてきます。目の前にいる相手がパンチを繰り出しているのにことごとく空を切る様子や、ガードをしてノーダメージで切り抜ける姿は見ていて痛快です。プロボクサーのパンチは、一般人の反射速度よりも早く飛んできます。パンチを確認してから避けていたのでは間に合わないということです。ディフェンスが成功するには、多くの経験や相手の癖を読み解く洞察力、パンチから目をそらさない勇気などたくさんの要素が必要です。毎日練習で基礎的な練習をどれ位しているかが鍵になります。その選手がどれほどの努力を重ねてきたのか、その過程が見えるようで感動すら覚えます。
派手なパンチの応酬で倒し、倒されるような試合も魅力的ですが、これだけ打っても当たらないのかと呆れてしまうほど優れたディフェンス合戦もまた面白いです。守備面の魅力にフォーカスしてみると、さらにボクシングを深く楽しむことができます。